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卸売業の存在意義を見直すことにもつながる

中間物流コストが見える「メニュープライシング」

物流コストが商品原価に埋もれてしまう現状に対して、中間物流機能の内容を見直し、それをサービスメニューとして手数料を取る動きが出ている。

中間物流機能に価格をつける

わが国では中間物流機能に関わるコストが価格の中に埋没してしまっているという面があることは否めません。そこで、そうしたことの原因となっている建値制度を改め、中間物流機能の中身をサービスメニューとして明確にし、コストに応じてサービス手数料を徴収するという、新しい取引方式が登場しています。

メニュープライシングと呼ばれるこの考え方は、米国に起源をもち、日本では日用雑貨却大手の中央物産が最初に導入したとされています。メニューの中身には、小売りへの販売に伴って却が行なうすべての活動が含まれています。

商品価格としては、卸の物流センターから出荷される段階の価格(蔵出し価格)を示し、これに商品をピース単位にパラして取り揃えた値札を作成して貼り付けた小売物流センターまで配送したというように、出荷および納品のために卸が行なったすべての作業に関わる手数料を付加して、顧客から徴収するのです。

このようにサービスに価格をつけていくためには、まず却売業自身が、それぞれの活動にいくらずつコストがかかっているのかということをつかむ必要があります。ここで有効なのが、物流ABCによる物流コスト算定です。物流ABCの導入なくしては、サービスの原価をつかむことはむずかしいと言えます。

物流コストと価格の分離に期待

メニュープライシングの導入を、卸売業者からではなく、小売業者から求める動きもあります。フランスの大手スーパーであるカルフールは、メーカーとの商談にあたり、物流だけでなくエンド陳列チラシ掲載のような販売促進活動までのすべての活動について、手数料の設定を求めました。

メニュープライシングの導入というのは、「小売業者の同意を得にくい」など実践上の課題があるものの、卸売業者としては、これから必然的に取り組むべきものとき守えます。中央物産がメニュープライシングを導入した狙いは、自社がはたしている役割の価値を顧客に見えるようにするというところにありました。

「問屋不要論」「中抜き有効論」が語られる中で、卸売業者にとっては、これまで行なっていたような、サービスに対して包括的なマージンを取るというどんぶり勘定的な商売から脱却し、自らの存在意義を数字でアピールすることが求められていると言えます。

物流コストが商品価格と分離されて可視化されていくことは、物流合理化を考えるうえで好ましいことであり、今後の展開が注目されます。

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